四元数ニューラルネットワークを用いた識別・分類法

 ストークスベクトルはポアンカレ球上およびその内部の点で表すことができる。従って,地表目標の各ピクセルの偏波状態の互いの関係は各対応する点の空間関係で表すことができる。数学的に,この問題に最適な処理手段は四元数,即ち四次元複素数,によるアルゴリズムである。本研究室は,人工知能目標識別・分類手法の開発を目指している。それに対する基礎構築のために,PolSARによる目標の識別・分類により適切なアルゴリズムである四元数ニューラルネットワークを提案した。使用されたニューラルネットワークを図1に示す。提案した手法では,ペアニア的に四元数ニューラルネットワークをPolSAR分野に導入し,従来の実数アルゴリズムと比べて,数学的により高い非線性自由度を持ちながら,物理的により完全に各物理成分間の関連を守ることができて,より高い分類性能が得られる。(例:図1)

図1:提案法(ストークスベクトル+四元数ニューラルネットワーク)の分類精度に関する比較の例。
データ:富士裾野エリアに対するALOS-PALSARデータ。

参考文献:F. Shang, and A. Hirose, “Quaternion Neural-Network-Based PolSAR Land Classification in Poincare-Sphere-Parameter Space”, IEEE Trans. on Geoscience and Remote Sensing, vol.52 (9), pp.5693-5703, 2014.
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